トライセクション(歯根分割抜去法)による歯の保存症例
3本ある歯根の1本だけを切断し抜歯を免れた症例
▼トライセクション(歯根分割抜去法)によって、3本ある歯根の1本だけを切断し、抜歯を免れた症例をご紹介します。
【トライセクション(歯根分割抜去法)】…問題のある歯根のみを分割して抜去することにより、できるだけ歯を残すという治療法です。主に複数の歯根がある奥歯に対して適用されます。
※歯根が2本の場合は「ヘミセクション」といいます。
初診時の口腔内
銀歯の除去
当該歯の銀歯を外すと、大きな金銀パラジウム合金の土台がありました。しかも歯のほとんどが土台になっていました。そのため、残っている歯をできるだけ削らないよう細心の注意を払いながら土台を丁寧に外していきました。
トライセクション(歯根分割抜去法)の実施
土台を外したところ、3本ある歯根のうちの1本が垂直に折れていることが判明しました。患者さんはできるだけ歯を抜きたくないとのことでしたので、折れている歯根だけを抜いて、残り2本の歯根を温存する「トライセクション」と呼ばれる方法で歯を保存する計画を立て、実施致しました。
※残り2本の歯根部分も歯が大変薄いため、中長期的にいつダメになるかわからない点を先にご了承ならびにご同意いただきました。
完成したセラミッククラウン
続いて歯型を採り、オールセラミッククラウン(Sクラス)を作成しました。ジルコニアセラミックス東京の齋藤氏に依頼しました。歯根の一部を抜いた場所は磨きやすさを重視し、歯間ブラシが通るように設計してもらいました。
治療完了
オールセラミッククラウン(Sクラス)を装着したところです。装着後も痛むことなく噛めているとのことで無事に治療完了となりました。
ただし、大事なのはここからです。できるだけ歯を長持ちさせるために患者さんご自身で毎日セルフケアを確実に行っていただくとともに、定期的なメインテナンスと検診も欠かさず受けていただくことがとても大切です。
本来は抜歯になってもおかしくなかっただけに、なおさら長く維持して欲しい、と私自身も強く願っております。
年齢/性別 | 30代女性 |
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治療期間 | 4週間 |
治療回数 | 4回 |
治療費 | 肉眼での根管治療 約5,000円(税込) ファイバーコア1本 27,500円(税込) ジルコニアクラウンSクラス1本 154,000円(税込)10年保証 |
リスクなど | ・将来歯根が折れる可能性がある ・歯根を間引きした場所はお手入れがしにくいため、歯周病になりやすい。口臭が発生しやすい。 ・セラミックの表面が欠ける可能性がある |