歯根破折歯を抜いて即時にインプラントを入れたケース
歯根破折歯を抜いて即時にインプラントを入れたケース
こちらの患者さんは「転んで前歯をぶつけた。前歯が欠けてその隣の差し歯もグラつく。」ということで急遽来院されました。
レントゲンでも真ん中の歯(赤矢印)が斜めに折れていることがわかります。また差し歯の土台部分(黄矢印)も歯根とは違う方向にずれていました。
急遽受診された当日は唇もけがをされており、時間がなかったことから一旦、応急的に見た目を回復しました。
後日落ち着いたところで本格的な治療開始です。真ん中の歯は歯が折れて内部が露出してしまっていたため、根管治療を行いました。
一方、差し歯の入っていた歯は歯根が完全に折れている上に病巣(赤矢印)もあり、しかも長さが短かいことが確認できました。
ご相談の結果、抜歯してインプラントを入れることとなりました。歯が完成するまでの間は真ん中の歯に土台を入れた上で仮歯も作り、見た目だけは問題ないように配慮しました。
CTによる精密検査
CT撮影にて歯、顎の骨の厚み、長さ、方向、形など3次元的な情報を把握します。抜歯してすぐインプラントを入れた方がうまくいくケースであることが判明しました。
抜歯即時インプラントの実施
手術当日です。手術前に仮歯を外しておきます。
抜歯した歯です。歯根の中央部に丸い膨らみがありますが、これが病巣の1つ(不良肉芽(炎症性組織))です。改めて歯根の健康な部分の長さを図ると10㎜をきっていましたので、無理に歯を作ってもすぐにダメになったであろうことがこのことからもわかります。
上部構造(かぶせ物)の製作
ジルコニアクラウン(Sクラス)が完成してきました。製作はジルコニアセラミックス東京の齋藤氏に依頼しました。
治療完了
年齢/性別 | 40代女性 |
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治療期間 | 3ヵ月 |
治療回数 | 7回 |
治療費 | インプラント手術(ストローマン社) 300,000円(税込330,000円) ジルコニアアバットメント(ストローマン社) 72,000円(税込79,200円) オールセラミッククラウン(Sクラス) 147,000円(税込161,700円)×2本 ファイバーコア 26,000円(税込28,600円) |
リスクなど | ・インプラント手術後に皮下出血が起きる可能性がある。 ・歯磨きが足りなかったり、定期検診と清掃を怠ったりすると、インプラント周囲炎になる可能性がある。 ・長期使用によるクラウンの劣化により、クラウンを交換する必要が出る可能性がある。など |