予防医療・歯周病
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天然歯で生涯生活出来るよう予防の習慣化を目指しております
こまい歯科では、いつまでも自分の歯で食事を楽しんでいただけるよう、歯を削ったり、抜いたりする原因となる虫歯や歯周病を未然に防ぐ予防に力を入れています。これまでのような治療が主体の歯科利用ではなく、予防を習慣化する事によって、自身の大切な歯を残せる可能性も高くなります。当院が実施する予防への取り組みをご紹介致します。
ここまで差が出る!定期検診&清掃の効果とは?
「痛くなったら歯科に行けばいい」。日本ではそう言う人が多数派です。実に95%の日本人がそう思っています。しかし、海外だとまったく違います。アメリカ、ドイツ、スウェーデン、オーストラリアなどの先進国では、「痛くなくても」定期的に歯科に行く人が多いのです。これらの国々では、おおむね80%くらいの割合だそうです。日本人はたった5%しか定期検診と清掃を受けていないのですから、大きな違いがあります。なぜこんなに違うのでしょうか?
それは国によって制度や文化が違うからです。以下では「アメリカ」「スウェーデン」「日本」の3つの国の制度や文化についてご説明します。
アメリカの場合
アメリカは世界一医療費が高いことで有名です。たとえば抜歯1本10~20万円、小さい虫歯の治療でも最低1万円はします(日本だと抜歯しても保険診療なら入院しない限り1万円もかかりません)。また、歯が悪いと周囲の人々から厳しい目で見られてしまいます。
さらに、民間保険では定期検診と清掃を受けないと保険料が高くなったり、いざというときに保険金が下りません。そのため歯をきれいに保つために歯科医院に行ってクリーニングするのは当然なのだそうです。他の先進諸国でも、アメリカほどではなくても歯科治療費は日本に比べて圧倒的に高いです。だからやはり予防のために投資するのが当たり前になっています。
スウェーデンの場合
スウェーデンはまた事情が違います。国をあげて予防医療にかなり力を入れています。歯科でも虫歯予防の父・アクセルソン教授、歯周病の世界的権威・ヤンリンデ教授など世界的に有名な歯科医がいますが、スウェーデン人の虫歯や歯周病が激減したのは彼らの業績といっても過言ではありません。なぜスウェーデンが予防医療に力を入れているかというと、重症患者が減ることで医療費が安くなるからなのです。歯科の予防医療もその一環にすぎませんが、80歳の平均残存歯数がおよそ20本と大きな成果を上げています。
日本の場合
日本は、第二次世界大戦後に国民皆保険制度ができて以来、「病気を治す」点に重点をおき続けてきました。最近は少し予防に力を入れる部分も出てきたものの、「病気でないなら保険は認めない」スタンスは何も変わっていません。その結果、日本人で歯科に定期検診と清掃で通う人は5%しかいないというわけです。
しかし、上のグラフ(九州大学新庄教授の調査)を見れば、どれに効果があるかは一目瞭然ですね。年齢とともに歯が無くなっていくことを嘆く人がよくいます。しかし、決して年齢だけのせいではありません。歯は適切にケアすれば悪くなる速度を遅くしたりほぼゼロに近づけたりすることが可能なのです。
虫歯は歯ブラシだけでは予防できないの?
虫歯は虫歯菌(主にミュータンス菌)が歯に感染してしまう細菌感染症でもあり、生活習慣病です。そのため「歯を磨きましょう」とは虫歯菌が歯に住み着いてしまう前に除去しましょうということです。しかしながら歯磨きだけでは虫歯を防ぐことができません。なぜなら虫歯は、歯と歯の間から発生することが多く、この歯の間は歯ブラシがほぼ届きません(30%以下)。
電動歯ブラシを利用しても50%程度です。そこでデンタルフロスを利用します。フロスであれば98%程度、歯と歯の間の細菌を取り除くことが可能です。さらに重要なのはその頻度であり、毎日フロスを利用しませんといつ虫歯になってもおかしくありません。虫歯の少ない欧米ではフロスの使い方を幼稚園で教わることもあるそうです。
国内でも沖縄市がフロスの大切さを呼びかけ始めるなど、自治体の動きもみられるようになりましたが、残念ながら微々たる状況といえます。当院にいらした皆様には、是非フロスの重要性を知り、ご自身の大切な歯を守っていただきたいと考えております。
歯科衛生士によるプロフェッショナルケアで予防効果の向上
虫歯や歯周病の予防には、日々ご自宅で行う歯磨きなどのセルフケアが基本となります。しかし、お口の中には歯石やバイオフィルム(細菌の塊)など、歯磨きでは取り除く事が出来ない頑固な汚れも存在します。そのため、より徹底した予防を実施するためには、歯科医院にてプロフェッショナルケアを受診する必要があります。当院が実施するプロフェッショナルケアをご紹介致します。
専用器具による歯面清掃(PMTC)
歯科医師や歯科衛生士(Professional)が、専用器具(Mechanical)を用いて実施する歯面(Teeth)清掃(Cleaning)の頭文字を取って、PMTCと呼びます。
歯磨きで落とす事が出来ない、歯石の除去やバイオフィルムの破壊に効果的です。歯間や歯面を滑沢に磨きあげることで、汚れの再付着を抑える効果もあります。歯を削ったりする処置ではありませんので、痛みを感じることはありません。
2種類のスケーラーによる歯石の徹底除去
虫歯や歯周病の原因となる、歯垢や歯石の除去にはスケーラーと言う専用の器具を使用して、処置を行います。こまい歯科では「超音波スケーラー」と「ハンドスケーラー」の2つの器具を、適所で使いわけ、効率よく効果的な歯石除去を実施しております。
超音波振動を利用したスケーラー
超音波振動によって、頑固な歯石もスムーズに除去ができます。短時間で広範囲の処置が可能なため、お口全体の歯垢、歯石の除去に使用します。
手動のハンドスケーラーで徹底除去
歯間や歯根周辺などのこびりついた歯垢や歯石の除去には、繊細な処置が可能なハンドスケーラーを使用します。超音波スケーラーと併用する事で、徹底した処置が可能となります。
予防専用ルームを完備しております
こまい歯科では、リラックスした状態で予防処置を受けていただけるよう、予防専用ルームをご用意しております。個室ですので、周囲で使用する不快なドリル音も抑えられ、快適な処置を受けていただけます。
エアフローによる負担の少ない歯のクリーニング
こまい歯科では、エアフローという機器を用いた歯のクリーニングを実施しています。
炭酸水素ナトリウム(重曹)やグリシン(アミノ酸の一種)などのパウダーと水を吹き付け、歯面や歯間に付着したバイオフィルム(細菌の塊)や茶渋、ステイン、煙草のヤニなどを取り除きます。
エアフローは器具が直接歯に触れないため、歯や歯茎に負担が少なく処置が行えるのが特徴です。
「歯の除菌コース」と「着色除去コース」をご用意しています
こまい歯科では、エアフローを用いた「歯の除菌コース」と「着色除去コース」の2つの歯のクリーニングをご用意しています。
①【歯の除菌コース】
料金:1時間/¥17,600(税込)
上の写真のように原因菌を色素で染め出した上で、エアフローで取り除いていきます。エリスリトールの入った甘くて細かいパウダーの混ざったジェットスプレーを歯に噴射してミクロレベルまで徹底的に除去するコースです。歯は一切削りません。従来のクリーニングでは歯の表面の溝に入り込んで取り切れなかったミクロレベルでの細菌も、より高いレベルで歯を清掃・洗浄することができます。
▼従来のクリーニング
- わずかではあるが歯が削れる
- 歯のミクロの凹みに入り込んだ汚れは落とせない
▼エアフロー除菌コース
- ミクロの世界でも歯は傷ついていない
- ミクロの凹みまで汚れが取れている
原因菌を根こそぎ取ることで再び原因菌が増殖するまでの時間が長くなるので、より高い虫歯・歯周病予防、口臭予防&除去効果が期待できます。虫歯・歯周病になりやすい、矯正治療中、歯磨きに自信がない、毎日フロスをしていないといった方々におすすめです。
当院で定期検診とクリーニングを受けられている方は必ず一度事前に担当医・担当衛生士にご相談ください。
※着色を確実に除去したい方は着色除去コースを別に受けてください。
エアフローによる除菌コースの症例をご紹介します
当院の歯科衛生士が実施したエアフローによる除菌コースの症例をご紹介します。
除菌コース開始です。EMS社公認の除菌コース専用パウダーを歯の表面にくまなく吹き付けて、歯の表面にこびりついたプラークを徹底的に除去していきます。染め出して色を付けてあるので、見落とす心配もありません。
除菌コース終了直後の写真です。お口の中に露出している歯の表面からはすべてプラークを除去しました。除菌パウダーは味が甘く、粒子も非常に繊細なので痛みはほとんどありません。施術後、お口の中がすっきりして、歯の表面もツルツルした感じがする、とよく言われます。
年齢/性別 | 40代男性 |
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治療期間 | 1日 |
治療回数 | 1回 |
治療費 | 除菌コース 16,000円(税込17,600円) |
リスクなど | ・施術後は必ず新しい歯ブラシに切り替えること。 ・あまりに汚れがひどい場合、1回では除菌しきれない場合があります。 ・歯石は除菌コースでは除去しないので歯石がある部分は除菌できません。 ・着色を除去したい方は着色除去コースを別で受ける必要がある。 |
②【着色除去コース】
料金:1時間/¥11,000(税込) 30分/¥5,500(税込)
コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、赤ワインなどを良く飲まれる方やタバコを吸われる方は、歯に色素が付着するため、着色除去コースがおすすめです。
甘じょっぱい炭酸水素ナトリウムの細かいパウダーの混ざったジェットスプレーを歯に噴射することで、歯にこびりついた着色を除去していきます。
麻酔の必要はなく、歯も傷つけることがありませんし、一切削りませんのでご安心ください。
(※当院ではEMS社製エアフローと、EMS社公認の専用パウダーを使用しております。)
【注意事項】
- 高血圧や心臓病などでナトリウム摂取制限のある方は受けられません。
- 汚れがひどい場合、1回では落としきれない場合がありますので予めご了承ください。
- 見た目をきれいにするのが目的ですので除菌コースとは目的が異なります。
エアフローによる着色除去コースの症例をご紹介します
当院の歯科衛生士が実施したエアフローによる着色除去コースの症例をご紹介します。
こちらの患者さんは、茶渋が全体的についているので取ってほしいとのことで着色除去コースをご希望されました。確かに茶渋が全体的に付着しているのがよくわかります。
着色除去が完了しました。この方は比較的簡単に茶渋が取れたので30分コースとなりました。オプションで、着色が再度付着しにくくなるようトリートメントも受けられました。
年齢/性別 | 40代男性 |
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治療期間 | 1日 |
治療回数 | 1回 |
治療費 | 着色除去30分 5,000円(税込5,500円) トリートメント13歯以上 2,700円(税込2,970円) |
リスクなど | 高血圧症や心臓病などナトリウムの制限がある方は着色除去パウダーが使用できません。その場合は別の方法で対応しますが、時間が余分にかかって費用も追加になる可能性があります。 |
10年先のお口の健康を考えた予防を実践しましょう
まじめに定期検診を受けている、毎日フロスしている、食生活に気をつけているのに・・・。虫歯ができてしまった。そんな方は10年前の食生活、ホームケア(特にフロス)、定期クリーニング(3~6ヶ月に一度)の有無などを思い返してください。何か思い当たる点はありませんか?
虫歯はよほど不摂生な生活をしたら別ですが、通常は数週間、数ヶ月単位で発生、進行することは少ないです。過去10年間の間に、ゆっくり細菌感染が進行し、それが少しずつ大きくなりはじめて虫歯として姿をあらわします。
ただし例外として噛む力が強い人は歯に亀裂が入っている場合もあり、そこから細菌が進入し虫歯になってしまうことがあります。このケースでの発見は非常に困難となりますので注意が必要です。
なお、定期的なクリーニングを欠かさず受けている方であっても、虫歯の発生を0%にすることはできませんが、受けていない方と比較すると70分の1程度まで発生確率を抑えられることが分かっています。過去に足りなかった歯のケアや食生活を嘆いても仕方のないことですので、皆様にはこの先の10年後以降の発生率をできる限りゼロに近づけるよう、お手伝いできればと考えています。
こまい歯科が行う4つの歯周病改善対策
歯を失う1番の原因である歯周病は、およそ80%の人が罹る日本の国民病ですが、症状が軽度であれば、日々のセルフケアの徹底と、定期的な歯石の除去や歯面のクリーニングで改善する事も可能です。しかし、症状が進行して中度~重度になった場合には、歯を支える骨が溶けたり、歯周ポケットの奥深くに歯石が付着するなど、通常の処置では改善が困難となります。そのような場合に、当院では患者さんの症状に適した治療を実施することで、歯周病の悪化を防ぎ、天然歯の保存に努めております。
マイクロスコープを用いた精密歯周病治療
中度~重度の歯周病に対して、精度の高い歯石の除去を実現するため、マイクロスコープを用いた精密治療を行います。
肉眼のおよそ20倍の拡大視野の下、歯周ポケット内部の状態を目で確認しながら、取り残しのない的確な処置が可能となり、歯周病症状の悪化防止、改善に効果的です。
歯周外科治療による徹底した歯石除去
歯周ポケットが深くなり、通常の器具では適切な処置が困難となった場合には、麻酔注射後、歯肉の切開を行い、歯根部分を露出して歯石を取り除く「歯周外科治療」を実施します。
歯周ポケットの奥深くに付着した歯石も、目で確認しながらの処置が可能となり、的確な歯石の除去が可能となります。外科処置となるため、負担は大きくなりますが、症状改善に必要な場合にはご提案致します。
歯周組織再生療法による骨の再生
歯周病が重症化すると、歯を支える骨を溶かし、歯がグラグラと不安定になります。この状態になると、十分な咀嚼を行えなくなるばかりか、最終的には歯が抜け落ち、失ってしまうリスクも高くなります。
このような症状の場合には、骨を失った患部にエムドゲインゲルというタンパク質を塗布することにより、骨の再生を促し、歯をしっかりと安定させます。
3DS治療(除菌療法)で歯周病予防・改善
3DS(Dental Drug Delivery Systemの略)は、抗菌剤と消毒液を用いた除菌療法です。薬剤を注入した専用のマウスピースを装着し、歯周病菌の除菌によって、プラークの付着を抑え、歯周病リスクを軽減します。
当院では、細菌検査の結果を基に歯周病リスクの高い方におすすめしております。
世田谷区千歳烏山で歯周病の予防や改善をご希望の方へ
こまい歯科では、80歳で20本の天然歯を維持する目標を掲げて、虫歯・歯周病予防に取り組んでおります。そのため、歯を失う1番の原因である歯周病の予防・改善に努め、セルフケアの向上とプロフェッショナルケアの定期受診を推奨しております。また、重度に進行した場合にも、症状に対して適切な処置を選定し、効果的な治療を心がけております。世田谷区千歳烏山で、歯の保存にこだわった予防・歯周病治療をご希望の方はぜひ、当院までお気軽にご相談ください。