精密根管治療後にゴールドクラウンで修復した症例
精密根管治療後にゴールドクラウンで修復した症例
ところがCT撮影をすると、水色矢印の部分で神経に詰めてあるお薬が止まっていることが判明しました。黄色矢印の部分は黒い線が見えました。そして赤丸部分は歯根の先の骨が少し溶けていることを示しています。
これらのことから、黄色矢印の部分に歯の神経が残っている可能性が疑われました。ご相談の結果、精密根管治療をご希望されました。
マイクロスコープを用いた精密根管治療の実施
マイクロスコープで視野を拡大、口腔内の細菌が侵入しないよう、ラバーダムというゴム製のシートで当該歯を隔離し、精密な根管治療を実施します。
ところどころ茶色く見えるのがヨードです。この消毒方法は全身の手術と同じ方法です。また、歯の周りにはラバーダムシートとのすき間を埋めて唾液が一切入らないようにする特殊なお薬を貼り付けています。
当該歯には大規模なレジン(プラスチックみたいなもの)が詰めてありました。
まずはレジンだけを慎重に歯から剝がしていきます。
歯根の先近くまで古いお薬を取り除きました。歯根の先端付近は根管が細くてデリケートなので器具の種類を変えて、引き続き汚れを取っていきます。
コア築造~ゴールドクラウンの製作
ゴールドクラウンを製作してもらいました。 IDEA dental studio setagaya 歯科技工士 西和田氏に 依頼しました。彼は歯科技工士学校を首席で卒業し、 その後勤めた技工所でもいかんなく才能を発揮され、 私はいつも安心して製作をお願いしております。
ゴールドクラウンの装着・治療完了
ゴールドクラウンを装着直後の状態です。かみ合わせ、食べ物の流れ、顎の運動、お手入れのしやすさなど、さまざまな観点でいかんなく性能を発揮するよう計算して仕上げました。
患者さんも治療前の違和感は消えた、と喜んでいただけました。できるだけ長くお口の中で使っていただけることを切に願うばかりです。
年齢/性別 | 60代女性 |
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治療期間 | 1ヵ月 |
治療回数 | 5回 |
治療費 | CT撮影 10,000円(税込11,000円) マイクロスコープ根管治療(大臼歯) 110,000円(税込121,000円) MTAセメント加算 22,000円(税込24,200円) ファイバーコア 26,000円(税込28,600円) ゴールドクラウン 165,000円(税込181,500円) |
リスクなど | ・CT上で神経の取り残しが疑われたとしても必ずしもすべてを取り除けるとは限らない。 ・精密根管治療をしても必ずしも違和感が消えるとは限らない。 ・ゴールドクラウンを入れた直後~1カ月ほどの間は歯に違和感を感じることがある。 ・将来、歯根が折れてくる可能性がある。など |