上の歯を下から観察したところです。右上の歯（黄色点線丸）が下の歯に比べてかなり外に出ています。これを専門用語でシザーズバイト（鋏状咬合）と呼びますが、上下の歯が鋏のようにすれ違った状態です。何とか一点だけで噛んでいるわけですが、見た目はもちろん、歯自体にも良くない状態です。

上の歯を噛み合わせの面から見た状態です。黄色点線の丸で囲んだ歯がシザーズバイトの歯です。その後ろの赤色点線の丸で囲んだ歯は、なんと本来の位置から150度近くねじれてしまっており、実質表側と裏側が逆転してしまっていました。

左真横から見た状態です。噛み合わせ的には比較的良好です。ただ、上の前歯にすき間が見られます。

右真横から見た状態です。上の150度近くねじれてしまっている歯がほんの一部だけ見えていて、まるですごく小さい歯があるかのような見た目になっています。この歯は何とか下の歯と咬み合ってはいますが、ご本人が気にされておられたとおり、見た目的にも問題であることが分かります。

矯正治療開始から10ヵ月後

右上の150度ねじれていた歯が、回転しながらだいぶ移動してきました。

矯正治療開始から1年3ヵ月後

ついに右上のねじれていた歯に対して、正規の位置に矯正装置を接着することができました。ここからは通常の治療に戻るため、スピードアップしていくことができます。

矯正治療開始から1年半後

だいぶ歯並びが整ってきましたが、噛み合わせは不十分ですのでその調整を進めていきました。

矯正治療開始から1年11ヵ月弱

矯正治療が終了しました。最初に比べて右側の歯並びが整っています。なお、歯の正中は元々下顎が左側にわずかにずれていますが、これは上下を合わせることは不可能でした。その理由は噛み合わせの状態、そして元々右側において、上顎が下顎よりも外側に歯が位置しており、しかも顎の骨も上顎の方が外側に広がっていた影響によるためです。

左真横から見た状態です。緊密な噛み合わせになっています。また、上の前歯のすき間も無くなっています。

右真横から見た状態です。右上の150度近くねじれて表と裏がほとんど逆転していた歯は無事に正常な向きになっています。