矯正治療症例 10代男性(叢生)
矯正治療で叢生を改善した症例
▼矯正治療で叢生を改善した症例をご紹介いたします。
初診時の口腔内
前歯にすき間があるのと、右上の歯がねじれているので治したいとの主訴で来院された10代男性の患者さまです。
正面から見ると、右上の前歯にすき間が開いているのと、右上の奥歯が左側に比べて外に出ていることが分かります。
上の歯を下から観察したところです。右上の歯(黄色点線丸)が下の歯に比べてかなり外に出ています。これを専門用語でシザーズバイト(鋏状咬合)と呼びますが、上下の歯が鋏のようにすれ違った状態です。何とか一点だけで噛んでいるわけですが、見た目はもちろん、歯自体にも良くない状態です。
上の歯を噛み合わせの面から見た状態です。黄色点線の丸で囲んだ歯がシザーズバイトの歯です。その後ろの赤色点線の丸で囲んだ歯は、なんと本来の位置から150度近くねじれてしまっており、実質表側と裏側が逆転してしまっていました。
右上の150度近くねじれている歯を正常な位置に回転させることは非常に困難であり、治療期間が延びる可能性があること、また、回転しきれない場合にはやむを得ず表と裏が逆転状態のまま、歯並びを整えることになることをご了承いただきました。
矯正治療の開始
矯正治療後の歯並び・噛み合わせ
上の歯を下から観察したところです。右上のシザーズバイトだった歯も、150度近くねじれていた歯も何とか下顎の歯と咬み合わさるようになりました。
ここで、左側に比べて右側の上顎の奥歯が下顎よりも外側に出ていることが分かりますが、これは元々右側において、上顎が下顎よりも外側に歯が位置しており、しかも顎の骨も上顎の方が外側に広がっていたためです。
そのため、左側と同じような噛み合わせを実現することは不可能なのです。
歯の保定/定期観察
矯正装置が外れた後は、必ずリテーナーを使用していただきます。製作は矯正専門歯科技工会社ASOインターナショナルに依頼しました。
リテーナーを使用しないと歯が後戻りしてしまうので、あとは定期観察をしながらチェックしていきます。
年齢/性別 | 10代男性 |
---|---|
治療期間 | 1年10ヵ月 |
治療回数 | 29回 |
治療費 | 852,000円(税込937,200円) |
リスクなど | ・治療後の歯並びはある程度は予測がつきますが、完全に当てることは不可能です。 ・必要に応じて抜歯やIPR(歯と歯の間を削る)が必要になる場合があります。しかも治療前に全てを予見することも不可能です。 ・捻じれている歯は、必ずしも正常な向きに治せるとは限りません。その場合は無理のない範囲で歯を並べることになるため、見た目に左右差が生じる場合があります。 ・矯正治療後の歯並びの見え方は一律ではありません。これは、元々の歯の状態、歯並び、骨格など、人それぞれで状態が違うためです。つまり、顔がひとそれぞれ違うように、歯並びも個性を反映したものになります。 ・必ずしもご希望の歯並びになるとは限らないため、担当医とよく相談し、イメージをすり合わせておくことも大切です。 ・歯の移動に伴って一時的な痛みが出る場合があります。 ・歯がもともと骨に癒着していて動かない場合がまれにあります。 ・虫歯・歯周病の発生や歯根吸収のリスクがあります。 ・甘いものを食べたり飲んだりする習慣がある場合や、もともと歯ブラシ・デンタルフロスのやり方が良くない場合、虫歯や歯周病のリスクが高まります。 ・治療後に歯肉が下がる場合があります。 ・治療後はリテーナーを使用しないと歯の後戻りの可能性が高いです。 |