小児矯正治療例 14歳女性(上顎前突・叢生)
小児矯正治療例:14歳女性(上顎前突・叢生)
「前歯が出っ張っていてデコボコしているので歯並びを治したい」というご希望で来院された14歳女性の患者さんです。
【左】上の顎の歯を下から見た所です。真ん中の前歯がかなり出ています。その両隣が内側にかなり引っ込んでしまっています。また、左上の一番奥の歯が生え始めてはいますが、他の歯並びとはだいぶずれてしまっています。
【右】下顎の歯です。ねじれやデコボコが前歯辺りに目立ちます。
【右】左真横から見た所です。前後的な位置関係は一見すると悪くないように見えますが、かみ合わせが全般的に浅いことがわかりました。
【左】右真横から見た所です。犬歯、前歯が一部かみ合っていないところがあります。これがかみ合わせが正常に比べて浅い理由です。
小児矯正治療の実施
まずは上の歯に装置をつけました。この日の施術時間は1時間程度です。
矯正治療開始2ヵ月後
上の歯に装置をつけてから2ヵ月後。下の歯にも装置をつけました。
矯正治療開始8ヵ月後
矯正開始8ヵ月後。歯が並んできましたが、上の前歯が下に比べて前に出過ぎています。そして唇を閉じようにも歯が収まりにくい状態になり始めました。このことは治療開始前から予測はついていましたが、なるべく抜歯を回避できないか?と手を尽くしておりました。
これらのことから、上の歯を2本抜かないと治らないと判断し、親御さんと再度ご相談しました。その結果、上の歯(第1小臼歯)を左右1本ずつ、合計2本抜くこととしました。
上の歯を左右1本ずつ抜いた後、すき間を埋めながらかみ合わせを整えていきます。
矯正治療開始2年7ヵ月後 矯正治療終了
矯正治療開始から2年7ヵ月後。歯が綺麗に並んだため、矯正装置を外して矯正治療が終了です。
保定処置
矯正装置が外れた後は、必ずリテーナーを使用していただきます。製作は矯正専門歯科技工会社ASOインターナショナルに依頼しました。
リテーナーを使用しないと歯が後戻りしてしまうので、あとは定期観察をしながらチェックしていきます。
矯正治療終了から2年9ヵ月後
矯正治療終了から2年9ヵ月後。患者さんは20歳になられました。久しぶりの検診でチェックしましたが、歯並びは安定していました。
年齢/性別 | 14歳/女性 |
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治療期間 | 2年7ヵ月 |
治療回数 | 47回 |
治療費 | 948,000円(税込1,042,800円) |
リスクなど | ・治療後の歯並びはある程度は予測がつきますが、完全に当てることは不可能です。 ・矯正治療後の歯並びの見え方は一律ではありません。これは、元々の歯の状態、歯並び、骨格など、人それぞれで状態が違うためです。つまり、顔がひとそれぞれ違うように、歯並びも個性を反映したものになります。 ・必ずしもご希望の歯並びになるとは限らないため、担当医とよく相談し、イメージをすり合わせておくことも大切です。 ・歯の移動に伴って一時的な痛みが出る場合があります。 ・歯がもともと骨に癒着していて動かない場合が稀にあります。 ・虫歯、歯周病の発生や歯根吸収のリスクがあります。 ・甘いものを食べたり飲んだりする習慣がある場合や、もともと歯ブラシ、デンタルフロスのやり方が良くない場合、虫歯や歯周病のリスクが高まります。 ・治療後に歯肉が下がる場合があります。 ・治療後はリテーナーを使用しないと歯の後戻りの可能性が高いです。 |