小児矯正治療例 6歳男子(反対咬合・受け口)
小児矯正治療例:6歳男子(反対咬合・受け口)
下の前歯が前に出ていることを気にされて来院されました。確かに下の前歯が上の前歯よりも前に出ており、いわゆる反対咬合(受け口)になっています。
下顎を誘導すると、写真のように上下の前歯を前後的に一致させられる位置(切端位)を取ることができました。このことから、歯性反対咬合(歯が原因)と診断できました。
なお、患者さんはまだ6歳と成長の最中です。反対咬合は成長が止まる20歳位までは再発しやすいこと、そしてⅠ期矯正という時期であることから、歯のでこぼこを治すのは主目的ではなく、反対咬合を改善することを第一目的として治療することになりました。
小児矯正治療の実施
まずは上の前歯と第1大臼歯(前から6番目の歯)の4か所に装置を接着します。
上下同時に装置をつけることは可能ですが、施術時間が長くなることや装置に慣れるのが大変であることから、矯正治療1回目は上だけに装置を接着することに留めました。
矯正治療開始2ヵ月半後
反対咬合が解消しました。ここまでの間に上顎と下顎の間で矯正用のゴムをご自身で装着していただきました。上の前歯を前方に、下の前歯を内側に傾斜させるとともに、下顎を回転させることにより、反対咬合を解消するメカニズムを働かせました。
この時点で装置を外すことは可能ですが、まだ下顎の位置が不安定であったため、矯正用のゴムをもう少し継続することにしました。
矯正治療開始4ヵ月後 治療完了
左上の前から2番目の歯が出てきましたが、無事反対咬合にならずに済んでいます。下顎もしっかり上顎よりも内側に入っており、顎の位置も安定していることが確認できたので矯正装置を外し、小児矯正治療が完了しました。
年齢/性別 | 6歳/男子 |
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治療期間 | 4ヵ月 |
治療回数 | 9回 |
治療費 | 小児矯正 300,000円(税込330,000円) 来院1回ごとの調整料 6,000円×(税込6,600円)×9回 |
リスクなど | ・歯磨きが足りないと虫歯や歯肉炎になりやすい。 ・歯が動かない場合がごく稀にある。 ・反対咬合なので再発するリスクは20歳過ぎくらいまである。 |