マイクロスコープ精密治療
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肉眼の20倍の視野によって的確な処置を可能にします
こまい歯科では、より精度の高い的確な治療提供のため、マイクロスコープを完備しております。マイクロスコープでの精密治療によって、細部の正確な処置が可能となり、見た目の向上だけでなく、再発リスクを抑えることが出来ます。マイクロスコープの有用性をご確認いただき、歯科医院を選ぶ際の参考にしていただければと思います。
マイクロスコープ(歯科顕微鏡)とは?
マイクロスコープ(歯科顕微鏡)は、肉眼に比べ、視野を20倍に拡大することが出来る精密機器です。私たちの口腔内は小さくて暗いため、肉眼や拡大鏡では細部の確認が充分に行えず、治療精度にも限界が出てきます。
そこでマイクロスコープを用いることにより、一つひとつの歯の形状・細部の状態などを正確に知ることが可能となり、治療精度を飛躍的にあげることが出来るのです。そのため、マイクロスコープは、治療の質を高めるためにとても重要な機器の一つと言えます。
マイクロスコープを使用することで歯の寿命が延びる?
一般的な歯科での15分診療における肉眼治療では、治療が早く終える半面、数年してから虫歯が再発することが非常に多いといえます。その一方で歯は一生に4回(状況により5~6回の場合もあります)しか治せません。人生を80年と考え、あまり早い段階で繰り返し治療を行うと、歯の治療限界が来てしまい抜歯になる時期が早まってしまいます。そこで有効なのが顕微鏡歯科治療となります。
例えば虫歯が神経まで到達した、あるいは神経の無い歯の再治療の場合、肉眼での治療成功率は30~50%、顕微鏡で80~90%(2005~2006年東京医科歯科大学調査)となります。この理由は単純明快であり、肉眼では見えないような虫歯や汚れが確認することができ、細かい作業が可能になるためです。
歯がダメになってしまったら、基本的に入れ歯・ブリッジ・インプラントの三択となります。長い目で見たときに顕微鏡歯科治療は歯を長持ちさせる心強い選択肢の一つといえます。歯を一本失うと1年半寿命が短くなる(九州大2012)、歯の本数が少ないと認知症になりやすい(名古屋大学)など、歯が全身の健康と強くつながっていることが明らかになってきております。精密で繊細な治療を可能にする顕微鏡歯科治療をご希望の方はご相談ください。
肉眼との視野の比較
上記の画像は、肉眼・マイクロスコープで千円札を見た際の比較画像です。肉眼では、線が描かれているだけにしか見えない部分も、拡大すると「NIPPONGINKO」と言う文字の羅列であることが確認出来ます。ただでさえ、視界が悪いお口の中では、細部の状態を鮮明に確認出来ることが、どれだけ重要かお分かりいただける事と思います。
拡大視野の重要性を動画で分かりやすくご説明します
こちらは、サージテル社が拡大視野の重要性を分かりやすくまとめた動画です。歯科治療で「見えること」がどれだけ大事なのかをご確認いただき、治療の際の参考にして下さい。
マイクロスコープ使用による低侵襲治療
切削範囲の最小化
虫歯感染歯質と健康な歯質の境目を、正確に把握することが出来るため、無駄な切削を抑え、最小限の処置が可能となります。
抜歯リスクの軽減
根管内部の状態を確認しながら、的確な処置が可能となります。再発を最小限に抑え、将来的な抜歯リスクを軽減することが出来ます。
マイクロスコープ精密治療がもたらすメリットについて
- 細部の虫歯や病巣などを発見し、悪化を防ぐことができる。
- 感染歯質のみを正確に取り除き、歯質を多く保存できる。
- つめ物・被せ物の調整をミクロ単位で行い、適合性を上げ、長期維持が可能となります。
- 的確な処置によって、再発・抜歯リスクを軽減できます。
- 歯の形状や色調を正確に把握することで、審美性を高めることが出来ます。
こまい歯科ではマイクロスコープを3台完備しております
こまい歯科では、3台のマイクロスコープを完備し、様々な治療にて使用しております。当院では特にここ数年、マイクロスコープを用いた「精密根管治療」をご希望される患者さんが増え、マイクロスコープの有用性などにも理解を示していただいております。そのような、背景もあり、通常1台でも有効なマイクロスコープを3台完備し、より充実した診療体制を整えております。
マイクロスコープ精密治療を適切に行える体制を整えています
2018年12月現在、日本の歯科においてマイクロスコープの導入率は5%程度です。しかし実際に稼動しているのは1%未満です。マイクロスコープは歯を5倍、10倍、20倍と拡大して診療するものです。患者さんが少しでも動くと視野から外れるため、再度合わせなければなりません。とても繊細かつ高度な技術が求められるだけでなく、膨大な労力も必要です。そのため、1人1時間ずつの診療体制でなければ到底使用できるものではありません。
しかし、日本の歯科医院はその大半が1人あたり15~30分程度の診療であるため、マイクロスコープを使いたくても使えないのが現状、というわけです。当院ではマイクロでの治療をご希望された場合、必ず60分以上の時間を確保しております。歯科医師が繊細で精密な作業に集中できるよう環境を整えておりますからご安心ください。
マイクロスコープを用いた再根管治療の症例(50代:女性)
▼マイクロスコープを用いた再根管治療によって、抜歯リスクの高い根尖病変(根の先端に膿が溜まる症状)を改善した症例をご紹介します。
初診時の口腔内
右上の奥から3番目の歯のかぶせ物が欠けて、咬むと違和感があるとのことで来院されました。症状の原因を調べるため、診断・診査を実施。レントゲン写真にて根の先に透過像(写真上で黒く見える部分)を確認。根の先に膿がたまっていること(根尖病巣)で違和感を感じるものと考えました。症状改善のため、根管治療が必要な旨を説明し、治療への同意をいただきました。
根管治療の実施
▼かぶせ物・コア(歯の土台)の除去
根管治療を行うため、当該歯のかぶせ物やコアを丁寧に取り除きました。(写真右)コアを除去した状態です。
▼虫歯の除去
▼根管内の清掃
▼根管充填
根管が大きいため、患者さんと相談の上、より予後の良いMTAセメントにて根管充填を行いました。処置後のレントゲンからも歯根の先端までしっかりと根管充填できていることが確認できます。
歯型の採取(印象採得)
根管充填後にコア築盛・歯肉を電気メスにて一部除去し、印象が精密に採れるようにしました。採取した歯型を基に精度の高いかぶせ物を製作します。
かぶせ物を装着して治療完了
イボクリーンという薬剤でかぶせ物の内側を清掃した後に当該歯へ装着します。唾液やタンパク質を綺麗に取り除くことでかぶせ物と土台歯の接着性を高めます。
装着後、咬み合わせに違和感もなく良好との事です。今回、かぶせ物が欠けたことで来院されましたが、違和感の原因は根の先に膿がたまっていることでした。以前に治療した歯に違和感がある場合、根の先に膿が溜まっている可能性がありますので、気になる際はぜひお気軽にご相談下さい。
年齢/性別 | 50代/女性 |
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治療期間 | 2ヵ月 |
治療回数 | 6回 |
治療費 | マイクロスコープ根管治療(小臼歯) 90,000円(税込99,000円) MTAセメント加算 22,000円(税込24,200円) クラウン・コア 22,000円(税込165,000円) |
リスクなど | ・根管治療した歯が再度炎症を起こす可能性がある。 ・咬みあわせの不調などによって、過度な力がかかった場合にかぶせ物が欠けたり、外れたりする可能性がある。 |
マイクロスコープを用いた精密治療をご希望の方へ
こまい歯科では、未だ普及率が低いマイクロスコープを用いて、処置精度にこだわった精密治療をご提供しております。一つひとつの処置精度を高めることによって、天然歯の長期維持をはじめ、将来的な口腔内環境を良好に維持できる可能性が高くなります。世田谷区千歳烏山にて、マイクロスコープを用いた精密治療をご希望の方はぜひ、当院までお気軽にご相談下さい。あなたの大切な歯を可能な限りお守り致します。