精密根管治療によって他院で抜歯を勧められた歯を保存した症例
精密根管治療によって他院で抜歯を勧められた歯を保存した症例
こちらの患者さんは、数日前に何もしなくても左上の奥歯に痛みを感じ、他院にて検査を行ったところ、非常に大きな根尖病変が見つかり、抜歯を勧められたため、保存できないかセカンドオピニオンで当院へ来院されました。
3、4ヵ月前にも同じような痛みがあったとのことで、レントゲン撮影をしたところ、歯根の全周にわたってかなり大きな根尖病変(矢印部)を認めました。
その炎症の大きさからも保存がかなり困難であることが予想されましたが、患者さんの希望により後日マイクロスコープでの根管治療を行うこととなりました。
根管治療の実施
封鎖性に優れたMTAセメントを用いて、根管充填を行いました。
根管治療一年後のレントゲン写真
(上:初診時 下:根管治療から1年後)
根管治療から1年後に撮影したCTでのレントゲン像です。根尖部の透過像が改善し、骨が再生していることが分かります。また動揺もなくなり、問題なく食事で使えているとのことです。
年齢/性別 | 20代 女性 |
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治療期間 | 4ヵ月 |
治療回数 | 6回 |
治療費 | マイクロスコープ歯内療法(大臼歯)90,200円(税込) MTAセメント加算 ¥23,100円(税込) |
リスクなど | ・5~10%の確率で将来歯根が膿んでくる可能性がある。 ・ごく稀に、もともと歯根に亀裂が入っており、治療しても改善しない場合がある。 ・歯の神経が非常に細いケースでは、場合によって完全に根管が閉鎖して治療しきれないこともあり、その場合は治療の成功確率が下がる可能性がある。 【注意点】根管治療だけでは治療は完結しません。通常はこの後、土台とかぶせ物が必要となります。費用もその分追加になります。 |